モーニング2 №10

モーニング2 2008年 7/2号 [雑誌]

モーニング2 2008年 7/2号 [雑誌]

創刊号から地味に買ってるんですが、月刊化された前回はスルー。なぜかと言うと、私は「ファンタジウム」という作品が好きで、そのために買っているようなものだからです。でもモーニング2は他にも「聖☆おにいさん」や「群青」のように面白い作品が多いよ。今月から新連載の「刻刻」もじわじわと来る面白さだったし、「BEATITUDE」も今回は好きだな。


ファンタジウム(2) (モーニング KC)

ファンタジウム(2) (モーニング KC)

マジックを題材にしたマンガですが、マジックマンガというジャンルを超えた人間ドラマの面白さがあります。会社づとめのサラリーマン・北條が偶然であった少年は、マジシャンだった北條の祖父の弟子で見事な技を披露してくれます。(裏カジノの代打ちとしてですが) 北條はその少年・良をマジシャンとして大成させたいと考えますが…。良は「ディレクシア」という障害をもっており、この障害の所為で父親からは理解を得られず、学校でもバカにされているためかとても達観しています。けど、マジシャンに対する彼の気持ちはとても真摯で、その純粋な思いとマジックで見るものの心に感動を与えます。が、それだけで上手く行く話でもなく、プロのマジシャンとなった良は未だに学校でいじめを受けているし、良を取り巻く環境は優しいだけではないんです。良の保護者兼パートナーである北條と信頼関係にはあるものの、良の知る「現実」と北條が見る「夢」には落差もある。でもだからこそ、マジックシーンの全てを忘れさせてくれるような美しさが映えると思うのです。とても面白く丁寧なマンガなので、いろんな人におすすめしています。
けど、1巻のデザインが好きじゃないんですよね…なんか安っぽいというかなんというか。2巻は普通だと思いましたが。新装丁で出たりしませんかね。もっと人が手にとっちゃうようなデザインが良かったです。