有頂天家族 全13話

原作未読ですが、他の森見作品は何作か読んだことがあったので、あの実に軽快な地の文がテンポを崩すことなく再現されていて、雰囲気が出ていたと思います。そして京都の背景が素晴らしい! もともと京都は観光地なので聖地巡礼っていうのもおかしい気がしますが、美しく描かれた町並みや登場人物たちの和風さは海外で受けそうですね。でも、現代の私たちが聞いても少し違和感のある(それが味なんだけど)セリフ回しって、いったいどういうふうに訳されるんでしょうか? まああちらにも古典的な言い回しがあると思うので、そうなるのかな。少しずつ明かされていく、偉大なる父の死の真相や、主人公を取り巻く人・天狗・タヌキたちの人間関係。ヒロインでもある弁天をはじめ、善とも悪とも言い難い、なんとも人間味ある造詣のキャラクターが多くてよかったです。阿呆なOPと、しっとりとしたEDも作品にあってました。P.A.worksさんといえば背景のクオリティが高いことで有名ですが、背景やキャラクター含め、画面全体の作りがいつもとは違っても、相変わらず見ているだけで幸せな作品でした。私はこの有頂天家族つり球みたいな、ぺたっとした画面が好きなので、またこういうのも作ってほしいです。次は京都つながりで、鴨川ホルモーのアニメ化とかどうですか?