烙印の紋章

主人公のオルバは奴隷であり、人々の前で命をかけて戦う剣闘士の少年。奴隷にされたときに、何者かによって虎の顔を模した鉄の仮面をつけられている。仮面は不思議な事に、どんなに力を入れても、刃物をもってしても顔から外れることはなく、夜な夜なオルバを苦しめる。それから数年、あることをきっかけに、その仮面は外されることとなった。条件は、皇子ギルの身代わりとなること―――。
こういうのが読みたかったんです、私は。長年戦争状態にあった2つの国。和平の一環として敵国より嫁ぐことになった勝気な少女・ビリーナ姫。その相手、メフィウスの皇太子・ギルは「うつけ者」と悪評がたつ人物。けれど、実際のギルは、評判通りの態度を取ることもあれば、意外に肝の据わったところもあり、ビリーナ姫はちょっとずつギル皇子に惹かれてきます。中身は元奴隷・オルバなんですが。休戦状態にあるとは言え、不安定なメフィウス・ガーベラ両国。また、その隙を虎視眈々と狙う他の国々。舞台のメフィウスにしても、反皇帝派などが水面下でうごめいており、気が抜けません。オルバはその生い立ちから貴族たちを憎んでいますが、自分の復讐を果たすために、皇子の身代わりという身分を最大限に利用しようとしています。こういう謀略をめぐらすお話大好きなので、非常に楽しく読みました。現在2巻まで読み終わりましたが、早く既刊分読んでしまいたいのと、いや、ゆっくり楽しみたいという幸せのアンビバレンツ。ちなみに2巻は1巻よりもおもしろかった。萌え成分が少ないのもとてもいいですね。しかし2巻では、ギルの義妹・イネーリVSビリーナ姫というフラグがたっていました。しかし相手は皇子ギルではなく、剣闘士オルバだっていう…。いつビリーナ姫に、その身分がばれてしまうのかも楽しみですね。
ちなみにこの本を手にとったきっかけは、2ch801板にある「ライトノベル総合スレ@801」での書き込みだったんですが、読んでみたらビリーナとオルバのノーマルカップルが一番好きなので問題ないよね! しかし2巻で出てきたノウェはリュカオンの事好きだったんだと思うわ、性的な意味で。