運命はすべて、なるようになる 上巻

運命はすべて、なるようになる(上) (Holly NOVELS)

運命はすべて、なるようになる(上) (Holly NOVELS)

桧堵瑛輝はグランドスラムの帝王・ワーグナーと準々決勝で戦っていた。快楽を教え込まれ、男娼として生きている瑛輝には禁忌も後悔もなかった。だが、敬虔なカトリック教徒のワーグナーにとって、ゲイで、愛人の存在を隠さない瑛輝はアスリートである前に汚らわしい存在でしかない。幼い頃から憧れ、目標にしてきたテニス界の王に、瑛輝はライバルとして認められたいと願うが―――。(裏表紙あらすじより)

最高でした。
いや、こんなに素晴らしい話の続きを来月も読めると思うと歓喜で胸が熱くなります。まあちょっとお預けをくうので早く8月来いよ! って感じもしないでもないですが…。そんなに分厚い本でもないのですが、大切に読みたくてちょっと時間かかってしまいました。もうねっとりじっくり読みたい。バイト先で表紙を見て、まず絵がいいなーと思い、「運命はすべて、なるようになる」というタイトルに心を打ち抜かれ、作者さんをチェックしたら大好きな五百香先生だったので速効買ってきました。もうバイト先でBL本を買う羞恥とか捨てちゃったわ。
あらすじの通り、テニスを題材にしたお話です。突飛な設定も、五百香先生のお話だと違和感なくすいすい読めちゃうな。五百香先生の文章が本当に好きなんです。ちょっと芝居がかったような大仰なセリフとかも、没頭している間は本当にその言葉しかないって具合に胸にくるんですよね。あと、狂気じみた愛情を描いたら本当にすごいと思う。受と攻、どちらも惹かれてるのになかなか1つになれなくて、あと1歩…! ってところをじらすのが上手い。可愛いお話ももちろん好きですが、こういう愛か死か、みたいなぎりぎりの話が本当にいい。今回も受である瑛輝の情緒不安定ぶりが、むしろ魅力的に描かれています。そりゃワーグナーも陥落するわ。次巻が非常に楽しみ。表紙はワーグナーかなー。