覇者の三剣 全5巻

覇者の三剣 (富士見ファンタジア文庫)

覇者の三剣 (富士見ファンタジア文庫)

久しぶりに中二病全開なラノベが読みたくなったのと、前から表紙を見て「これは美味しいに違いない」という本能の赴くままに買ったんですよ。大正解でしたね! とりあえずあらすじはこんな感じ。

その街は、世界を拒絶していた。限りなく人に近く、人に非ざる生物が跋扈する現代。<武街>と呼ばれるその街は、築かれた強固な壁の中で、少年少女を戦士として育成する学園を有していた。そこに転入してきた一人の少年―――那斬蒼。異形なる剣と強大な力を持ちながら、しかし、彼は戦う自分を否定し続ける。
「誰も守れない、守る資格なんてない。ただ殺すための剣だ」
幼馴染の少年と、「会ってはいけない」大事な人が待つ学園で、蒼は進む。真紅に彩られた、修羅の覇道を―――! やがて滅びゆく世界のために、俺達に何ができるだろうか。閉ざされた世界で戦う少年たちの、血と絆のソード・アクション!

まー設定といい、固有名詞といい、私の中の中二が目覚めるわけですよ。主人公たちも非常にチート性能持ってますからね。さすが「神に愛されし」者ですよ。それよりも何よりも、主人公の蒼と、その幼馴染・要の萌えっぷりが半端ないんですよ! もう3巻くらいまでずっと「これなんてBL?」って感じですから。3巻のあとがきで作者自ら「キスシーンまでならおk!」とか言ってますから。えーと、4,5巻はわりとノマカプなので、腐女子的には見なかったことにしたい。
主人公の蒼は決める時はびしっと決めるんですが、主人公らしく暗い過去を持っており、普段は明るい子なんですが割とヘタレ。対する要は優等生然とした見た目の下に、超ドS王子という生き物を飼っております。このシリーズは毎回挿入されるドSモードの要たんを堪能するためにあったといっても過言ではない。世の中に「S」と称されるキャラクターは数多存在しますが、この要はその中でも頂点レベル。自分と蒼以外の事はほとんど考えてないです。女子供だからって容赦なんかしません。「うまいお好み焼きが焼けそうな、よ〜く熱した分厚い鉄板に、女の顔押し付けるとかできるか?」それが出来るのが要なんです。でも要たん、こう見えてオカン属性も持ってます。蒼は自分からすすんでご飯を食べないんですが、クラスメイトの女の子(蒼の事が好き)に「食べ物は何が好き?」と聞かれて「要がつくるもの全部」と答えちゃうような子。要も面倒なことは大っ嫌いなのに、蒼のためなら制服の上にフリフリエプロンを装着してカレーを作ることもいとみません。そして蒼曰く、「要は俺の嫁。本気で要がいないと生きていけないです。要は要で、蒼にゾッコン☆ラブです。ときどき素で「わが君」とか言ったりするけどこの主従関係たまんないよぉオイ! ちなみに要はめっちゃ強いです。対人戦だと蒼より強いはずです。そして必殺技がちょっと笑えます。
他のキャラクターも魅力的で非常に良いです。美形で学園のアイドル的存在として登場した、剣道部の主将・四門朱雀はヤムチャ化すると思いきや彼はヤムチャではなくポップだったり、歩くフェロモン大魔王・冴木蘭丸は毎回服をはだけていたり。本当、魅力的な男キャラ満載です。それに比べて悲しいのが女の子。3巻くらいまでは割と空気です。空気なのは別にいいんですけど、メインヒロインキャラが本当に残念で残念で…。
キャラクターについてばっかり書いてしまいましたが、世界設定は割と好きです。もうなんか滅亡が目前に迫ってるあたりが。けど舞台が<武街>がほとんどなのでしょうがないのですが、少しスケール感が小さかったかなあと。主人公が外の世界に行くと思いきやすぐに取りやめたからね! あと、せっかく学園にいるんだからもう少しそういう描写欲しかったのと、対異魔人(メギド)の戦士を育てる学校だったっていうのに、戦える人材が少なすぎるだろ…。もう少し一般生徒が頑張る姿が見たかった。その点で言えば綾姫は頑張っていたと言えます。どんどん解放されていく主人公の力は本当に中二病全開で最高でした! 主人公以外もいちいち必殺技がカッコよすぎる。最終技も良かったけど、もっと仲間と共闘するところも見たかったです。割とバラバラに戦ってたイメージ。しかし冴木さんかっこいい。抱いて! ラスボス前の剣守り戦があっさり片付いたのもちょと残念でした…が、アルティメットドSモード堪能出来たので良しとしよう。
バトル展開★★★☆、萌え(3巻まで)★★★★★という感じでした。ダメな人はダメでしょうね。表紙を見てウホッてなった人にはお勧め。

※この先グチというか腐女子の嘆きをつらつら書いてましたが、ちょっと冷静になって削除しました。先生ごめんなさい。