ぼくの・稲荷山戦記

ぼくの・稲荷山戦記 (講談社文庫)

ぼくの・稲荷山戦記 (講談社文庫)

最近活字を読んでないなぁと思って、通勤用に購入。しかし行きは混んでる+頭がぼーっとしてて読まないので、もっぱらひとり昼休みと帰宅用です。
ここ近年、児童文学がクローズアップされてると思います。最近有名なのはあさのあつこ先生の「バッテリー」でしょうか。少し前になると小野不由美先生の「十二国記」シリーズも児童文学ではありませんが、少女小説ですし、最近文庫化された荻原規子先生の「これは王国の鍵」もジャンルとしては児童文学です。(児童文学というかヤングアダルトティーンズノベルというほうが正しいかも…)この作品も以前児童文学としてハードカバーで出版されたものが、一部かな表記を漢字表記に改める等の手直しを加えて文庫化されました。
祖母と主人公の少年の家に、ある日不思議な美青年がやってきて、いきなり同居することになります。その頃、少年の家の近くの山でレジャー施設の開発予定が進んでおり…。テーマは本当に明確です。「自然を大切にしよう」。そういったストレートでお利巧なテーマでありながら、神話を絡めたファンタジー要素を加えることによって、上手く読み手の拒否感を和らげてるなぁと。ラストはネタバレになるので言えませんが、あの結末であるからこそ、読者に訴えるものがあるのではないかと思います。
文庫化されたのは大人が読んでも楽しめる内容だからなのですが、私は日本の神話が絡んだ話に本当弱いので(「空色勾玉」にもそれでやられた…)それで好きなのもあるんだと思います。日本の神話もちゃんと勉強しなおさなきゃなぁと思いながら今に至る…最近民俗学の本も読んでないので、読もうと思いました。