少女革命ウテナ脚本集 下巻 薔薇の刻印
少女革命ウテナ脚本集 (下) (アニメージュ文庫 (N-91))
- 作者: 榎戸洋司
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 1998/04
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 2回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
この下巻に収録されているのは第3部鳳暁生編から「ふたりの永遠黙示録(25話)」「幹の巣箱(光さす庭・アレンジ)(26話)」「裸足の少女(30話)」、クライマックスとなる第4部黙示録編からは「薔薇の刻印(34話)」「世界を革命するもの(37話)」「世界の果て(38話)」「いつか一緒に輝いて(39話)」。なかなかにいいチョイスです。特に最後の黙示録編は読みながら、ああ、こんなシーンあったなぁと映像が思い出されて思わず泣いた。今までウテナは通して3回くらい見てるけど、何回見ても泣いてしまう。
これは脚本なので、小説とは別物です。私は脚本というものは真面目に読んだ事がなかったんですが、なかなか面白く読むことが出来ました。脚本は小説みたいに地の分があるわけじゃなくて、もっと簡略化されたト書きになりますから。あと小説は基本的にひとりで書くものだけど、脚本はアニメの要素の一つなので当然脚本家が全部決めてるわけではなく、場所によっては脚本で指定してあったり演出で指定したりいろいろだと思います。その線引き、というかどの程度まで脚本で指示するのかなーという興味があったので*1とても参考になりました。
この本を読んで、榎戸氏がよく「思春期の繊細さを表現する」作風だといわれる所以がちょっとわかった気がします。これを機にエヴァの脚本集も買おうかな。安いし。榎戸氏が担当してるところだけ。あと「忘却の旋律」は全部榎戸脚本なんですね。これ途中で見るの止まってるな…でも確かに印象的な台詞が多かったように思います。というか忘却自体がウテナの弟みたいなもんですからね。スタッフ的に。
どこかで上巻を見つけたらすかさず捕獲することにします。(うちの店にはなぜか下巻のみがありました…上巻だけならまだしも)
*1:主に谷口アニメにおいて監督の意向がどこまで脚本にいってるかという興味なんですが