うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー [DVD]

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー [DVD]

この前無性に見たくなったので早速レンタルしてきました。私は幼稚園〜小学校低学年くらいの頃はとにかくるーみっくアニメ(といってもうる星とらんまがほとんどなんですけど)を見てた人だったので、もちろんうる星もテレビ版、映画版、OVA版と一通り見てきたと思ってたんですが、どうやらこの作品の内容をすっかり勘違いしていたようだ。ビューティフル・ドリーマーに関してのおぼろげなイメージは「暗い」「よくわからなかった」「大木」というもので、前の2つは何となく意味がわかるんだけど(前半は夜のうちに話が進むので確かに画面的に暗い)最後の「大木」はまるっきり外したようだ。多分他の劇場版かOVAあたりにそんな話があったような気がするんですけどどの作品かはわかりません。
ということで見始めて「もしかしてこの映画見て無いんじゃないか」という不安に駆られたんですが、スタッフロール直前のタイトルロゴを見て「ああ、そういえばこれ見た」とようやく思い出すことが出来ました。内容はかけらも覚えてませんでした。
私は押井守という監督のすごさとかサッパリわからない素人なんですけど*1そういう色眼鏡はずして素直に面白かった。当時はこれを見たときに「なんかうる星やつらじゃない」という気持ちがあって楽しめなかったと思うんですけど、今となってみたら別に難解なテーマというわけでもなく、これがうる星ではないと思うほど逸脱してたとは思わない。久しぶりすぎてアニメ版うる星の雰囲気を忘れてるだけかもしれませんが。
声優さんとかほとんど覚えてなかったんですが、聞いてみると「あ〜この人だったなぁ」って人が多くて懐かしかったです。メガネとかいい味だしてますね。面倒もかわゆい。ラムの平野さんの声を聞いて、なんかに似てるな〜と思ってたら最近やってた『Never7』というゲームにでてくる、くるみちゃんというキャラクターがちょうどこんな喋り方をしていた。なんか妙にイントネーションが上下する感じというか。くるみちゃんの喋り方を聞いたときに誰かっぽいな〜と思ってたのでスッキリ。
私は、というか大多数の人はお祭り前の雑多な感じが好ましいと感じるものだと思うんですが、前半のとめどなく続く文化祭の準備がノスタルジックで良いですね。当時の高校があんな感じだったとは思わないけど、当時の高校生が理想としてた姿なんじゃないかなぁと思います。時代は前後するかもしれないけど、なんか究極超人あ〜るのなんでも雰囲気に似てるというか、今で言うとげんしけんがその流れを汲んでるんじゃないかと思うんですけど、文化部的青春の理想像というか。今は木造の校舎なんてほどんどないだろうしなぁ。
映像的には古いんですけど、こだわってる箇所も見受けられて面白かったです。最近のきれいな映像もいいけど、こういう手作り感あふれるセル画を見るのも良いものですよ。キャラ造形的には初期〜中期あたりでしょうか。ラムちゃんの等身もやや低め。ラムちゃんよりサクラさんのほうが活躍してたなぁ。作画で好きだったシーンは、あたるたちが友引高校の校舎を調べるところと、最後少女とあたるのやりとりがあって、少女の顔が見えるところ→落下あたり。カメラワークで印象に残ったのは同じく少女とあたるのやりとりと、サクラと温泉マークのやりとりのところ。どっちもカメラがぐるぐる同じところを回ってる。あ、あとあたると面倒が最初に買出し行くシーンも好きです。あたるの家からみんなで登校して水たまりに映りこむところも。*2
後半、あたると夢邪気の攻防?はやや饒舌な気がして、私はもう少しあの部分短くしてもいいんじゃないかな〜と思いました。もうすぐ終わり、と思ったのになかなか終わらなかったので。あと少女は一体どんな意図で出てるのかいまいち理解できなかった。なんとなくはわかるんですけど(少女の正体も最後わかるし)あれは本当に彼女だったのか、あたるの中のイメージなのか。なんなんだろうなぁ。
最後はちょっとラブコメしてて見てて赤面です。ていうか全然覚えてなかったんですけど、ラムちゃんとあたるってこんなにラブラブだったっけ? 本編でキスしそうになったシーンとかあったかなぁ。すごく自然にキスしそうになっててちょっと驚いた。
とりあえず普通に面白かったです。自己課題アニメの1本を消化。また見たいなぁ。攻殻機動隊イノセンスも見たので私的には押井作品の課題は全て消化。実写は見る気がないし、パトレイバーも見たいけどそれは押井作品としてではなくて普通にパトレイバーが見たいだけだしなぁ。パトレイバーはレンタル屋さんに行っても、どの作品から見ればいいのか忘れてしまうので困る。とりあえず次は他のうる星劇場版を見てみて、本作品とのギャップを楽しもうかと思います。

*1:押井守がすごくないとか言ってるわけではなくて、今まで見た作品は面白かったんだけどその芸術性とかいうのが理解できてない模様

*2:このシーンであたるが水たまりにおぼれて後学校のプールから現れるんですけど、これは何を意味しているんだろう?