RDG レッドデータガール 全12話

RDG レッドデータガール 第6巻 [Blu-ray]

RDG レッドデータガール 第6巻 [Blu-ray]

原作既読です。アニメにするにはちょっととっ散らかった内容、そして6巻もある原作を1クールに、ということでいったいどんな出来になるのかなあと思っていたら、なかなかきれいにまとめてあって大変満足いたしました。BOX出たらほしいですね。たぶん、1〜2話あたりで切ってしまった人も多いと思うんですが、原作もそこまではあんまり起伏がなくて面白くないんです。やっぱり学園編に入って、宗田きょうだいが出てきてからぐっと面白くなったので、一度視聴やめてしまった人も学園編に入るあたりまで見てもらったら印象変わるかも。
P.A.worksということで背景が大変綺麗でしたね。キャラクターも岸田メルさんのデザインを上手にリファインしていて、メルさん画では少し大人っぽすぎるかな?と思った深行なども年相応のかわいらしさがあってよかったと思います。また声優さんもイメージにぴったりでした。泉水子のような内省的なキャラクターはあまり好みではないのですが、早見さんの声がそれを和らげてくれたと思います。でもぴったりだったのか内山さんの深行くんのイライラっぷりですね! 深行は原作でもずーっとイライラしてるんですが、それは他人に対してじゃなくて、現実に抗う力をまだ持たない自分への苛立ちが大半を占めているというなんとも少年らしい少年なんですけど、そういう思春期特有のイライラっぷりが大変うまく伝わってきて素晴らしかったです。そんな深行くんですが、原作エピソードを凝縮したせいか、泉水子へのツンデレっぷりのデレが増量して見えて、原作よりも全体的な糖度が増した印象。原作の感想にも書きましたが、結局のところ「RDG」という作品は、シンプルにボーイミーツガールのお話なので、それでよかったと思います。最終回も原作改変でしたけど、アニメだけ見てたら自然に思えるしよかったんじゃないでしょうか。原作ラストも映像映えしそうだと思うのでそれが見られなかったのはちょっと残念ですけどね。というか原作最終巻発売とアニメ放送開始の時期を合わせてきたからてっきり原作ラストまで行くと思ったのに。

/// 追記 ///
そういえばアニメだけ見てた人の感想を読むと、私の満足度とは反対に「何も解決してない」「微妙な終わり方」という意見が多かったのですが、確かに本筋を追っていくと姫神がどうなったのかも、世界遺産になるのは一体誰なのかも投げっぱなしなことに違いないですね。アニメが原作5巻までしか進んでおらず、最終巻である6巻が丸々カットされているというのが中途半端なエンディングだという評価につながってるのだと思います。ですが… ※ここからネタバレです。(大したことは書いてませんが)
原作6巻でも、姫神関連については解決していません。世界遺産候補の話も決着ついていません。決着がついたのは、泉水子と深行の関係だけです。さあこれから、というところで話は終わります。上記アニメ感想でも、原作感想でも書きましたが、RDGというのは泉水子が深行と出会い、深行が泉水子と出会うという、オーソドックスなボーイミーツガールもので、姫神関連については本筋では無く、二人の関係性を変化させる舞台装置だったのかなと思います。もちろん姫神の話も気になるので、今後番外編等で補完してくれると良いなあとは思っていますが。ということで、原作6巻部をOVAや映画で作ってもアニメ視聴者は???となって満足できないと思うので、TV版はここで終わらせてよかったんじゃないでしょうか。原作読者ほど、アニメの終りが腑に落ちるかもしれません。